理系大学生の日常

理系大学生の生活の中で、感じたことや考えたことを書いていこうと思います。

ドクターストーンにハマった理系大学生が思ったこと

ドクターストーン』とは

 ドクターストーンとは、稲垣理一郎さんの漫画作品である。突如として全人類が石化し、その後およそ3700年後に偶然目覚めた一人の男が、「科学」の知識を活かしながら、人類の復活を目指して、文明を発展させていく物語である。主人公の男は、宇宙に行くことを夢見ていた高校生であり、幼いころから科学を学び、実践してきた。その並外れた知識量と探求心で、危機を乗り越えたり、敵と戦ったりするのを楽しめる作品である。以下では、そんなドクターストーンを見て、1人の理系大学生として思ったことをいくつか書きたいと思う。

 

科学は面白い

 まず思ったことは、科学って面白い。もちろん見て面白くなるように、科学知識が活用できるような場面設定になっているわけであり、現代の日常で都合良く科学知識を活用して、どうこうできるわけではないだろう。然しながら、改めて身の回りにあるもの1つ1つが科学知識と科学技術の結晶であるということを認識させられるし、詳しくその原理や歴史について学びたくなった。平均的な人間の100倍くらい勉強してきただろうが、全然足りていないと気付かされた。

 

これって俺の専門じゃね?

 作品中では、金属や無機化合物、プラスチックなどの材料の合成を試みるシーンが良く登場する。それは当然のことであろう。何か作りたいものがあったとき、望まれる性能を満たすような材料がなければ、そもそも作れないからである。自分の専門的に学んでいる材料合成が実際に活用されているところを見て、何か誇らしい気持ちになった。一方で、いつも嫌々学んでいて蔑ろにしていることを恥じざるを得なかった。

 

ビジョンを見据えて勉強すべき

 知識だけを学んでも、つまらないし、やる気が出ない。自分の勉強している学問が、結果として物づくりの原点になっていて、素晴らしいものだと認識した後でも、やっぱり勉強するのは大変で、面倒で、やりたくないと思ってしまう。

 そこには色々な問題があるはずだ。だって本来あのようなストーリーに従って、実体験も伴いながら勉強していけば、知識はより身につくだろうし、楽しいはずなのだ。しかし、現実には、100分間もただ椅子に座って、教授の声を聞き、文字をみたり、書いたりするだけだ。声を発することも、体を動かすこともほとんどない。このような授業形態では、自分の中でその知識を活用するビジョンが見えていなければ、なかなかやる気は出てこないだろう。

 

最後に

 自分は今おそらく学習することに最も適した環境にいる。仕事もしていないし、生活費も親に負担してもらっている。日本最高峰の大学にいて、豊富な知識を持つ先生も沢山いる。そんな環境で、十分に学習していなかった場合、後々学びたくなった時に後悔するだろう。今は気が進まなくても、ビジョンを見つけ出し、無理やりにでも描いて、一つでも多くのことを能動的に学ぶべき身分なんじゃないか、と思った。

 勉強がつまらないと感じている全ての学生はドクターストーンを一読してみたら、何か得られるものがあるかもしれない。科学知識を多用する知的な面白さを是非味わっていただきたい。